【見た目と中身】宇宙を駆けるよだか レビュー⑤
5話「嘘」のあらすじ
病院に搬送された俊平(中身は公史郎)は意識を失ったまま。学校では公史郎(俊平)と然子(あゆみ)が付き合っていると勘違いされてしまう。
然子は入れ替わったあゆみが然子の体で、徐々にクラスでの人気を確保していくのに憎しみを強くしていく。
そんな然子に病院から火賀(公史郎)が目を覚ましたと連絡が。
公史郎は入れ替わったことは結果的によかったという。そして然子に、『君があんなに嫌っていた火賀の姿になったけど好きでいてくれるよね?』『外見は変わっても中身は変わらないんだからさ…』という。
あゆみは火賀が公史郎と入れ替わったことに責任を感じていた。
アパートで落ち込むあゆみに俊平と公史郎が訪ねてくる。公史郎はあゆみが元に戻るためにあえて然子の近くにいたというのだ。
公史郎『あゆみちゃん、今までたくさん傷つけてごめん。元の体に戻ろう。家族も今までの生活も全て取り戻すんだ。』
実は、階段でもみ合っている最中、公史郎は俊平にあゆみを元に戻す方法があるから俺を信じて一緒に飛び降りてくれといい、計画的に入れ替わったのだ。
そして、あゆみを元に戻す方法とは『シャッフル』することだという。
まず、赤月の日に俊平⇔あゆみ、公史郎⇔然子が入れ替わる。
その次の赤月の日にあゆみ⇔公史郎、然子⇔俊平が入れ替わると元に戻るのだ。
他の人間を経由して入れ替わることで、一度入れ替わりをした人間は元に戻ることができないというルールの隙をつくのだ。
だがこの計画には然子の協力が不可欠だ。
然子をだまして協力せるしかないという公史郎に対して
あゆみはこのまま然子が元に戻った時に心が壊れてしまうのではないかと心配する。
然子は病院で公史郎に言われた言葉を思い返していた。
『あれはあてつけだ。小日向あゆみの体になってもなにも変えられないあたしへの。』
真緒がTVで赤月は後2回で最後になると伝える。
つまり然子を説得できなければもう二度と元の体には戻れなくなる。
公史郎は今までのことはあゆみを元に戻すための噓だと然子に伝える。
ショックでその場から去る然子。
翌日、担任から小日向あゆみが行方不明だといわれる。
感想
アパートで洗い物をしているあゆみに然子の母親がかけた言葉
『あんたもあたしもさ、ちょっとでも美人に生まれてたら少しはマシな人生おくれたのにね。』
母親からこんなこと言われたらなんて返していいかわからない。おそらく然子は母親からこういうニュアンスのことを言われたことがあるだろうし、だから自分に自信が
持てずに全ては顔が悪いから不幸なんだという極端な考え方になっていったのだ。
僕個人の考えでも然子のように顔の美醜で人は判断されると考えた時期はあった。
今でも実感としてそう感じるし、美男美女は人にけなされることがないか、少ないので自信をつけやすく明るい性格で社交的になりやすいと思う。
一方不細工に生まれた人間はまず幼い時に自分が周りと比べて劣っているという感覚を嫌という程経験する。そして徐々に自信を無くしてゆく。学校が集団生活を学ぶ場だとしたら集団のシステムとして異分子を排除しようとする。つまり顔が醜いことはそれだけで異質なのだ。子供は特に残酷なのでそういう人間を遠慮なく攻撃する。悪口を言われるたびに怒ってると疲れるので笑いに変えたり流したり、無視したり大変なのだ。
人は明らかに見た目で判断される。もうこれは事実で美男美女はそれだけでアドバンテージをとっている。
不細工は中身を時間をかけてわかってもらうしかない。