セキタニのブログ

好奇心の赴くままに…

【見た目と中身】宇宙を駆けるよだか レビュー②

2話「裏切り」のあらすじ

『お前の秘密、公史郎にバラす』と俊平に言われた然子。

顔も服装も声も小日向あゆみと一緒なのに不満が募っていく。イライラすると然子は爪を噛む癖がある。登校中、落ち込んでいたあゆみにバレッタをプレゼントした俊平。

ニキビを気にして前髪を垂らしていたあゆみは俊平に元気づけられる。

 

公史郎に体育倉庫に呼び出された然子。カーテンが閉められた暗闇の中で公史郎に怖い?と聞かれ『平気』と答える。

 

1話のクラスのシーンで俊平にばらすといわれて、あゆみに謝罪することになった然子。

友達2人がいつもどうりに接してきても、人間不信からくる被害妄想により、冷たく接してしまう。

 

下駄箱の前で俊平に言われた言葉

『海根の奴、入れ替わってなかったら死んでたわけやろ』

あゆみは「然子が入れ替わる方法を知っていたのではないか?」と疑念を抱く。

 

あゆみに屋上に呼び出された然子。どうやって入れ替わったのか問い詰められる。

然子はあゆみと入れ替わった時いった。『だって私ずっと小日向さんになりたかったんだもん』

これはつまり入れ替わる方法を知っていたという証拠ではないか?と尋ねる。

偶然だとはぐらかす然子にあゆみは『今、元に戻る方法を教えてくれたら私も火賀君も入れ替わりのことを秘密にする。史郎ちゃんにも話さない』

然子は笑いながら返す。『史郎ちゃん、とっくに気づいているよ。』

体育倉庫での会話

カーテンからわずかにさしこむ光しかないほぼ暗闇の倉庫内で

公史郎『怖い?』

然子『史郎ちゃんと一緒なら怖くないよ』

公史郎『いつから入れ替わったんだ、海根然子』驚く然子。

公史郎『あゆみちゃんは暗所恐怖症なんだ』

 

 

然子は勝ち誇ったようにあゆみに告げる。『このままでいいって。海根然子が入った小日向あゆみのままで』

信じられないあゆみ。そんなあゆみに嘘だと思うなら直接史郎ちゃんに聞いてみればと煽る然子。顔を近づけあゆみにいう。『史郎ちゃんはもう私のものなの』

 

そして公史郎と俊平の会話

公史郎『俺が好きなのはあゆみちゃんの顔だ。だからこのまま海根さんと付き合うことにした』

激昂してつめよる俊平。『あゆみは体奪われたんやぞ!』

『それならお前があゆみちゃんを支えてやれよ』と投げやりにいう公史郎

 

 然子の悪だくみで文化祭のだしものでクラスでやるお化け屋敷に呼び出されたあゆみ。

暗所恐怖症のあゆみは呼吸困難になり意識を失いかける。

幼い時物置に閉じ込められたあゆみを助けてくれたのが公史郎だった。

薄れゆく意識の中でドアから光が差し込む。

そこに助けにきたのは公史郎ではなく俊平だった。

*実は公史郎がメールであゆみが教室にいるから助けに行けと俊平に送っていた。

この行動から公史郎はまだあゆみに情が残っているのではと感じさせる。

 

 体育倉庫での会話の続き

公史郎『あゆみちゃんは暗所恐怖症なんだよ』立ち去ろうとする公史郎。

すがりつく然子。公史郎の恋人になるため命がけで入れ替わった然子は叫ぶ。

『ちゃんと小日向あゆみになるから…だから…お願いだから私を好きになって…。

そんな然子に公史郎は『そのままでいい。』という。火賀にたいする嫉妬からあゆみを選んだから元々中身なんか好きになってないと言い放つ。

公史郎『俺はずっと火賀になりたかった。だから教えて欲しいんだ。入れ替わる方法を。』

然子『今はダメ。でも史郎ちゃんが私のことを本気で好きだと確信できたら教える』

 ラストシーンで非通知の電話があゆみにかかってくる。

相手は『あなた、だれかと入れ替わってるでしょ。』と告げる。

感想 

公史郎が俊平に劣等感を感じ複雑な表情を浮かべるシーン。僕は公史郎と違ってイケメンでもないし勉強も出来なかったけど、この気持ちはすごく共感できた。

僕にはA君という幼馴染がいた。

過去形なのは関係が疎遠になっておそらく今後会うこともないだろうからだ。

これは別に子供時代から遊ぶ友達が変わっていき自然と関係が薄くなっていくというパターンではなく僕自身がA君に劣等感を感じていたからそうなったのだ。

たしか、幼稚園の徒競走でA君、あと2人と僕で走った時だった。スタートの合図で一斉に走る4人。僕ともう2人の子は同じくらいで競っていた。しかしA君は圧倒的に差をつけて1位でゴールしたのだ。
*今思えば幼稚園の徒競走の距離なんてかなり短く設定されてるに決まっているので「圧倒的に差をつけて」という表現は大袈裟かもしれないが当時の感覚ではそうだったのだ。

足の速さなんて今となってはどうでもいいことだけど子供心になにか納得のいかない違和感を感じたのだ。理不尽なような、悔しいような気持ち。

A君は顔もよかった。小学校ではいつも友達の輪の中心にいた。ガキ大将的な気質だったA君はよく女子を泣かしていたし僕も泣かされた。だけどなんどか女子がA君を好きだといっているのを聞いたことがある。

運動神経がいい、頭がいい、そして顔が良ければモテルのだ。A君はこのうち2つ持っている。僕は1つも持っていない。運動神経は人並み以下。勉強、特に算数は今でも苦手だし数字の羅列をみると気持ち悪くなる。顔は面長で、なすび、ごぼう、きゅうりとかとにかく長い野菜のあだ名をつけられた。好きだった子に気持ち悪いと言われたこともある。それがものすごく嫌で心底なにも言われない普通の顔に生まれたかったと思った。父親が面長の顔で近所のおじさんからお父さんに似ているねと言われるのがすごく嫌だった。この「宇宙を駆けるよだか」を見ようと思ったのも『顔』という隠しようのないもので苦しんだ経験があったからだ。