【見た目と中身】宇宙を駆けるよだか レビュー⑥
6話『決断』のあらすじ
公史郎の告白に逃避する然子は赤月の森の天文台に向かう。
あゆみ、俊平、公史郎の3人は然子を探す。
然子の母親から然子の行きそうな所を聞いたあゆみ達も天文台へ。
天文台の中で然子を発見した3人は然子に語りかける。
公史郎『その姿でいようが元の体に戻ろうが俺が君に恋愛感情を持つことはない。だけど共感できる部分はある。だけどあゆみちゃんに体を返さないというならそれはただの逆恨みだ。』
俊平『海根さん、ほんとに誰もあんたに手を差し伸べへんかったんか?他人を拒絶しといて都合のいい時だけ愛されたいなんて虫が良すぎるやろ。』
然子を責める二人。しかしあゆみは然子と入れ替わってから受けた悪口、理不尽からそれは誤解だという。
あゆみ『突然傷つけられて、どうしようもなく苦しくて、きっと海根さんもそうだったんだと思う。そうなったら一人じゃなにもできないの!!強くなんていられないし、正しい判断なんかできないよ!!』
無言になる俊平と公史郎。
然子『あたしが間違ってる前提で話進めないでよ。』『あんたら美形はいいわよね。きれいごと並べるだけで正義になるんだから。』
然子の体のあゆみを俊平と公史郎にさらすようにしながら然子は続ける。
『でもさぁ、この体で生まれてきても同じこと言える?』
俊平に『どんな姿でもあゆみが好き?笑わせないでよ!!元が可愛いからそんなこと言えるんでしょ!?』
あゆみに顔を近づけながら『あんたも本音いいなよ。もうブスはこりごりだって、元の可愛い姿に戻りたいって!!』
俊平『ええ加減にしろ!俺らがゆーてることがきれいごとならお前のは被害妄想や!!』
わかりあえない3対1の構図。そこに然子の母親が。
あゆみの姿をした然子をビンタする母親。母親の『姿は変わっても性格は変わらなかったのね。可哀そうな子。』
心を決めた然子。あゆみの顔をずたずたにしてやると天文台の屋上へ。
然子の母は然子を抱きしめて謝罪する。しかし然子は拒絶する。
あゆみ、俊平、公史郎は然子を必死に説得する。然子の命がけの訴えは確かに届いたと然子はもう一人じゃないと。
泣き崩れる然子。思いは伝わった。
予定通りに4人は入れ替わり、元の体に戻った。
然子と母の親子関係は前よりも徐々に良くなってゆくだろう。(然子の母親が朝ごはんにおにぎりを作って然子の前に置いたシーンから)
あゆみは公史郎と俊平それぞれと関係を築きなおし公史郎とは付き合い、俊平とは友達関係になった。
感想
登場人物の中で一番共感できたのはやはり然子だった。容姿に恵まれずに性格が歪んでしまうというのはもう不細工あるあるで環境が性格をそう変えてしまうのだ。
そして美形に生まれた人間は美形であるがゆえに得た立場、性格を人は見た目じゃないなどと綺麗ごとをいう。
然子の『この顔に生まれてきてみなさいよ!』と元の自分の体を罵倒する言葉のなんと悲しくて痛々しいことか。
でも然子に共感する一方で、公史郎の『逆恨み』、俊平の『被害妄想』という言葉は自分の心に刺さってきた。確かに、顔の美醜どうこうより卑屈にならずに明るい人間の方が付き合いやすいだろうし、一緒にいて楽しいだろうなと思うからだ。
これがなかなか周りに傷つけられると一歩踏み出せなくなるんだけど。
もう怖いし、なんか悪口言われるんじゃないかなとか色々考えてしまうのだ。
僕が中二の頃、友達の作り方というか、人間関係の作り方がわからなくなってクラスで一人だった時もそう思ってクラスメイトに話しかけられなかった。
でも爆笑問題の太田さんがテレビで、『学生時代一人も友達がいなかった。でも大学デビューした時にとにかく人に話しかけまくって明るい雰囲気でいたら友達ができた。』みたいなことをいっていて、すごく勇気をもらえたし悩んでいるのは自分一人じゃないんだなと思えた。
中二の三学期勇気をだしてクラスメイトに話しかけてみると最初は固かった雰囲気がなんども話しかけることによって徐々に柔らかくなっていくのを感じ最終的には友達になれた。
然子も一人じゃないことを実感できたから元の体に戻る決意をしたのだ。然子の気持ちが少し軽くなったようでよかった。
しかし、然子役の富田望生さんとあゆみ役の清原伽耶さんの演技力は凄かった。
あゆみの性格の良さが声のトーン、表情からつぶさにみえた富田さん。
然子の性格が入ったあゆみを演じた清原さん。天文台で心情を語る表情は凄みを感じた。
ジャニーズの二人は初見だったので演技はどうなんだろうと思っていたが、特に公史郎と俊平が入れ替わってからのそれぞれの人格の演じ方が本当に入れ替わっているというリアリティを感じたし演技うまいな~と思った。
原作が漫画なのでそちらの方も見てみたい。
Netflixで見ました。見てない方は是非!!