セキタニのブログ

好奇心の赴くままに…

【見た目と中身、どちらが大事なのか?】・宇宙を駆けるよだかレビュー①

登場人物

 県立赤月高校に通う高校2年生の

 

火賀 俊平…かが しゅんぺい重岡大毅

水本 公史郎…みずもと こうしろう神山智洋

※共にジャニーズWEST

小日向 あゆみ…(清原果耶)の三人組は幼馴染だ。

 

ある日、あゆみは好意をよせていた公史郎から告白される。

 

そして初デートの日。待ち合わせ場所に向かうあゆみに、クラスメイトの

 

海根 然子 うみね ぜんこ…富田望生)から自殺予告

 

の電話が入る。あゆみが背後を振り返ると学校の屋上には海根然子の姿が……。

 

飛び降りる然子を茫然と見るあゆみ。『グシャッ』という音と共に暗転。

 

病院で目覚めたあゆみは自分の顔が海根然子の顔になっていることを知り、驚愕する。

 

 

 

 関係性

 

俊平はあゆみに対して恋愛感情を抱いている。

あゆみは公史郎のことが好きでなおかつ告白された。

公史郎は俊平のことを友達だと思っているのだが劣等感をのぞかせるシーンがある。

然子は生きることに絶望している。そしてあゆみになりたかったという。

 

 

キャラクター性

 

俊平…クラスの人気者で誰からも好かれている。明るくお調子者。関西弁。

 

公史郎…学年トップの成績でバスケ部のエース。クール。

 

あゆみ…クラスで一番かわいいと言われるほど恵まれた容姿とスタイルで、

明るく友達も多い。両親から大切に育てられている。一軒家に住んでいる。

おそらく金持ち。

 

然子…ぼさぼさの髪の毛に肥満体形。容姿もブス。クラスでも一人で孤立している。

母親からの愛情は皆無に等しい。アパートに母親と2人暮らし。母親の仕事はおそらく

工事現場の交通誘導員

 

 

第一話での印象的なシーン

・病院で目覚めたあゆみ(中身は然子)が母親とアパートに帰って来る場面。

アパートのドアを開けると室内には、たまったゴミ袋にカップ麺の食いカスが乗った

タツが見える。おそらくあゆみが普段生活している中で見ない風景なのだろう。

あゆみの家は母親が掃除をしているからだ。

玄関前で立っているあゆみの体にぶつかり、言葉を発しようとする娘をビンタする

母親。あゆみの体がテーブルにぶつかり茶碗が落ちる。

「仕事抜けて来てんの!これ以上迷惑かけんじゃないよ!!」

この言葉で普段、然子が母親からどんな扱いを受けているかわかる。

母親にとって娘はお荷物なのだ。こいつさえいなければ…という。

親から愛情を受けれなければ自尊心ははぐくまれない。

ひどい母親だと思う。けどいくらか社会人として働いた経験からこう思う。

このお母さんは本当に疲れているのだとも思う。生きるのが精一杯で娘のことも考えてられないんだ。それくらい生きる(働く)のは心をヘトヘトにするのだ。

ただ然子がかわいそうなのは変わりない。

 家に居場所がない子供は学校の中で友人を作り社会に適応しようとする。

しかし然子の場合は学校でも孤立している。

教師には馬鹿にされるし昼食は一人でアンパンを食べる。

体育の時間、教師の「二人一組になって柔軟しろ」という声。

 

このシーンは本当に嫌な気持ちになった。

 

 

僕は中二の頃、然子と同じ状況だったからだ。中一の頃に仲が良かった友達とクラス替えで別れてしまい、全然喋ったことない人たちと同じクラスになったのだ。

しかもその人達はすでに仲良しグループとして出来上がっており、急に僕がそこに入っていくのは困難を極めた。

また当時の僕は『ゲーム、漫画、小説』が好きで回りにもそういう友達が多かった。

しかし中二のクラスの人たちは『ファッション、恋愛、スポーツ』などの話題で盛り上がっていたのだ。

そういう話題に全く興味のなかった自分。そして無理矢理そういう話題に合わせていくのも違う気がしていた僕は、2学期まで本当に数えるほどしかクラスメイトと口を聞かなかった。

 

そして然子が味わった地獄のような気持ちが僕にはよくわかる。先生の言う

「二人一組」と「誰かに手伝ってもらえ」この2つのワードは本当にきつかった。

まず二人一組は絶対にぼくが余る。場合によっては嫌な顔をした仲の良くないクラスメイトが僕と組むことになる。これは相手の気持ちもわかる。誰だって仲の良い人と楽しく過ごしたい。

そして誰かに手伝ってもらえ。これは残酷だ。僕には手伝ってと言える友達がいない。

だから一人でやる羽目になる。

そんなこんなで日々自分が人間として粗悪品であることを感じながら生きていた

中学2年生の頃。

 

 .文化祭の館長を決める為クラスの黒板に担当が書かれる。

館長(呼び込み役)は俊平。お化け役は美人でクラスで人気者のあゆみ(中身は然子)

そして大道具係の欄には2名と書いてあり、水本の文字。然子(あゆみ)の名前はない。涙を浮かべながら黒板に『海根』と書くあゆみ。クラスで孤立している然子は

回りから認知されてないのだ。直接的ないじめがあるわけではない。陰口をいわれてもいない。けれどこのクラスで孤立している感じはとてつもなく生々しいリアルだ。

 さて、1話のラストシーンで俊平は然子の中身があゆみであることに気がつく。

あゆみの中身が好きな俊平と見た目が好きだという公史郎。

どういう展開になるのか楽しみだ。